【2022年版】特定技能外食業分野の最新状況! 受け入れの条件や流れ、注意点などを解説
- 特定技能
外国の料理を提供している店舗や、外国人が多く訪れる店舗などを経営している方であれば、外国人スタッフがいると心強いですよね。今回は外食業における特定技能の概要をおさらいしつつ、従事できる仕事や受け入れの条件、流れ、注意点などを解説していきます。外国人を戦力に迎えたい飲食店経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
特定技能外食とは?
特定技能外食の意味がわかるように、特定技能の概要、特定技能外食の概要を簡単にまとめます。
特定技能の概要
特定技能制度とは、国内の特定分野の業種において労働力不足を解消するために設けられた制度です。
特定技能1号の外国人は、特定技能の在留資格を取得することで、上限5年まで国内に在留して働けるようになります。
受入機関あるいは登録支援機関による支援を受けて就労します。ただし、家族の帯同は基本的に認められていません。
特定技能外食の概要
外食業分野で特定技能1号の人材を受け入れる在留資格が特定技能外食です。
増加するインバウンドや、機械化による省力化の限界などの背景から、外食業分野でも特定技能外国人の受け入れが急務となっています。食品衛生に配慮した飲食物の取扱いや調理、給仕まで一連の業務を遂行できる知識・技能を有する人材が求められています。
令和4年における特定技能外食人材の総数は3,199人です。
国籍別にみると、ベトナム(2,054人)、中国(247人)、ミャンマー(227人)の順に多くなっています。
そのほかの国籍の人数については下記のページから詳細を確認できますので、気になった方はぜひ確認してみてください。
参考:特定技能1号在留外国人数 令和4年6月末現在(出入国在留管理庁)
特定技能外食の人材を受け入れる条件
外食業における特定技能外食の受け入れに関する条件を解説していきます。
特定技能外国人が従事できる業務
飲食物調理 | 客に提供する飲食料品の調理・調整・製造 |
接客 | 客に飲食料品を提供するのに必要な業務(飲食物調理以外) |
店舗管理 | 店舗運営に必要な業務(飲食物調理・接客以外) |
特定技能外国人を受け入れできる事業者・事業所
外食業で特定技能外国人を受け入れできる事業者・事業所は下記の通りです。
受入可能な事業者・事業所 | 具体例 |
---|---|
飲食店 (その場で飲食させる) |
食堂やレストラン、喫茶店など |
持帰飲食サービス業 (飲食設備を持たない) |
持帰専門店など |
配達飲食サービス業 (調理品を客先に届ける) |
弁当屋や宅配専門店、配食サービス事業所など |
給食事業 (客先で調理品を提供) |
ケータリングサービス店や給食事業所など |
特定技能外食の人材を受け入れる機関の義務と基準
特定技能外食の人材を受け入れる機関の義務と基準について解説していきます。
受入機関の義務
受入機関は、特定技能外食の人材と締結した雇用契約を確実に履行して、報酬を適切に支払わなければなりません。
また、外国人への支援を適切に実施する必要もあります。支援については登録支援機関に委託することも可能です。そのほか、出入国在留管理庁に各種届出をしなければなりません。
受入機関の基準
外国人に支払う報酬額が日本人と同等以上である必要があります。
5年以内に出入国・労働法令違反があってはなりません。
そのほか、外国人を支援する計画を適切に用意して、外国人が理解できる言語で支援できる体制を整備する必要があります。
特定技能外食の人材が満たすべき基準
外食業の1号特定技能外国人は以下に示す➀、➁のいずれかを満たさなければなりません。
➀「外食業特定技能1号技能測定試験」と、「日本語能力試験(JLPT)(N4以上)」あるいは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」 に合格している
➁「医療・福祉施設給食製造」の第2号技能実習を修了している
具体的な試験の概要は下記の記事で詳細を解説していますので、あわせて参考にしてください。
MUSUBEE記事:外食業における「特定技能」外国人の活用
登録支援機関の委託料金相場
登録支援機関に委託するときの料金相場は、外国人1名あたり毎月2~3万円が目安です。支援業務ごとに料金が定められている場合もあります。
詳細については下記の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
MUSUBEE記事:外食業における「特定技能」外国人の活用
特定技能外食の人材を受け入れるときの主な流れ
外食業分野で外国人を受け入れる主な流れは下記の通りです。なお、国ごとによって必要な手続きが異なることもあるので、あくまで一般的な目安として参考にしてみてください。
ステップ1:特定技能で雇用できる条件を満たした海外人材を探して面接する
ステップ2:採用が決定した海外人材と特定技能雇用契約を結ぶ
ステップ3:オリエンテーションや健康診断など、入社前の手続きを行う
ステップ4:1号特定技能外国人支援計画を作成する
ステップ5:地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う
※海外在住の場合は在留資格認定許可申請を行う
ステップ6:雇用を開始する
ステップ7:食品産業特定技能協議会に加入
ステップ8:定期面談・報告
在留資格変更許可申請では主に下記の添付資料が必要です。
・受入機関の概要
・特定技能雇用契約書の写し
・1号特定技能外国人支援計画
・日本語能力を証明する資料
・技能を証明する資料など
1号特定技能外国人支援計画の一部の実施を第三者に委託したり、全部の実施を登録支援機関に委託したりすることも可能です。
登録支援機関を選ぶときのポイントは下記の記事でも解説しているので、ぜひ気になった方は一読してみてください。
MUSUBEE記事:特定技能外国人を採用したい企業必見! 登録支援機関を選ぶときのポイントは?
特定技能外食の人材を受け入れるときの注意点
外食業分野で特定技能外国人を受け入れるときの注意点について解説します。
受け入れの制限
食堂・レストラン・喫茶店などの事業所や、飲食物調理・接客・店舗管理といった業務が受け入れで認められている一方で、受け入れが認められていない事業所と業務もあります。
外食業分野における特定技能外国人は、「風俗営業」および「性風俗関連特殊営業」の営業所では就労してはならないことになっています。
仮に飲食物調理・接客・店舗管理などの業務であっても認められていません。
食品産業特定技能協議会への加入期限
食品産業特定技能協議会は、飲食料品製造業分野および外食業分野における特定技能制度を適切に運用するために、2019年3月に設置された協議会です。
農林水産省や受入機関、登録支援機関、業界団体、学識経験者、関係省庁などで構成されており、受け入れに関する優良事例の周知や、経済情勢に関する情報の分析などを行っています。
1人目の1号特定技能外国人材の在留資格が許可された日から4か月以内に入会申請を行う必要があります。
まとめ
今回は外食業分野における特定技能制度の概要・最新動向をおさらいしつつ、受け入れできる事業所や従事させられる業務などを解説しました。
特定技能外食の人材には、飲食物調理や接客、店舗管理などの仕事を任せられることを知り、あらためて興味を持った経営者の方も多かったのではないでしょうか。
受入機関の義務や外国人が合格すべき試験、就労させられる事業所などをよく把握したうえで、ぜひ特定技能外国人の雇用を検討してみてください。