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【後編】特定技能に係る登録支援業務とは?行政書士の谷島先生に聞いてきた

本記事では、前・後編に分けて、特定技能の外国人を採用した後に発生する、「特定技能の在留資格の申請」や「在留資格申請許可後の外国人への登録支援機関業務」に関して、行政書士の谷島先生に伺っています。

特定技能で外国人を採用したい経営者の方や採用担当者の方がすこしでも制度を理解できるように、お伝えしています。

【前編】では、特定技能で外国人を雇用する際に気をつけるべきことや特定技能のビザ申請について、行政書士の観点からお話を伺いました。


【前編はこちら】

今回の【後編】では、特定技能のビザ申請が完了した後に発生する、「登録支援業務」や「特定技能のこれから」に関して、引き続き谷島行政書士事務所の谷島先生にお伺いします。



【谷島先生のプロフィール】
谷島 亮士(たにしま りょうじ)行政書士。行政書士・司法書士事務所の補助者時代に試験合格を経て、その後、5年間大手ハウスメーカー勤務後、独立。これまで外国人ビザの申請業務10年以上に渡り行い、申請許可数は都内でもトップクラスの実績を誇る外国人ビザ申請のプロ。

*WEBサイトURL



登録支援業務の内容

ーー特定技能のビザ申請が完了した後に発生する、登録支援業務についてお伺いします。基本的に外国人の支援業務は登録支援機関に委託する企業が多いですが、実際にどんな業務をおこないますか??


登録支援機関業務

*基本的な登録支援業務として定められている内容。

(出入国在留管理庁「新たな外国人材の受入れ及び共生実現にむけた取組」)



谷島 登録支援業務は、どこの事業者もやらないといけない業務は決まっています。生活オリエンテーションや出入国の際の送迎などです。


ーー支援の頻度はどれくらいですか?

谷島 随時と定期があります。随時に関しては、入国後の手続きやトラブルがあったときの対応です。いつ何時何分に対応したかまでを記録する必要があります。

定期の場合は、定期面談があります。自社で支援を行う場合は、この記録にも細かいルールがあります。たとえば、定期面談は直属の上司がやってはいけないなどです。


ーー支援方法にもルールが定められているのですね。特に大変な業務はありますか?

谷島 支援の中でも特定技能外国人の支援状況に関する帳票書類(*1)作成は注意が必要ですね。支援機関も、所属機関も、帳簿をつける義務があり、さらにそれに基づき「届出」義務があります。

(*1)帳票書類とは
外国人の支援にまつわる支援体制の管理簿や外国人との契約状況、各種支援内容の実施日、実施方法、実施者など支援業務の実施状況に係る文書。特定技能の雇用契約終了から一年以上備える必要がある。帳簿書類の届出が遅れたり、虚偽の報告が含まれていると、罰則またはビザの取り消しなどのペナルティがある。

もし、帳簿をルールにそって作成・届出できていないと、その後の支援継続ができなくなってしまいます。実際、帳簿を作成できていない支援機関も中にはいます。理由としては、登録支援機関の中には帳簿を知らないケースがあったり、そもそもサポートをしていなかったりするためです。

もし外国人の支援業務に関する届出が期限内にできないと、ビザ更新が不許可になるので、注意が必要です。


支援状況に関する帳簿の間違い・作成忘れを防ぐ、谷島行政書士事務所の仕組み

*特定技能の書類管理システムをみせていただきました。

*谷島行政書士事務所では、コロナ対策をした上で取材が行われました。


ーー企業としては登録支援業務をどこに委託するかは、その後のトラブルを避ける上で重要になりそうですね。現在、登録支援機関は4000以上存在する(2020年5月時点)ので、選ぶのが大変です。谷島行政書士事務所では、帳簿を作成するために、どのようなサポートをされていますか?

谷島 弊社では、電子帳簿システム(「ビザマスター」)を独自に作ってます。弊社に登録支援を依頼した企業は、無料で利用いただいております。

オンライン上で特定技能外国人の帳簿を企業と常に共有ができるので、企業が書いた内容に間違いがあれば、すぐに直すようにしてます。また、過去の申請データや会社の情報を一括コピーすることも可能です。

ーー通常確認する場合、エクセルやワードで作成した書類を送る手間があるので、電子化にすることで、常時共有できるのは楽でいいですね。書類も70種類以上ありますし。


特定技能の活用がおすすめ

ーーここまでの話を聞くと特定技能が大変なイメージなのですが、特定技能のいいところはありませんか??

谷島 特定技能のような活動を5年間フルタイムで働ける就労ビザはこれまでなかったので、行政書士の我々からみると,画期的な規制緩和ですね。

「技術・人文知識・国際業務ビザ」は専門性が必要です。そのため、1店舗のお店だとハードルが高くビザが降りにくいです。

また、ワーキングホリデーとか特定活動は時限的ですし、留学生はフルタイムで働けません。これらを踏まえても、おすすめします。


ーーとは言っても、5年間で帰国してしまうんですよね?

谷島 たしかに懸念される気持ちはわかります。ただし、特定技能から永続的なビザに変更ができる方もいます。そのため、外国人の選定時に永住ビザがとれる方かどうかをアドバイスもできますね。

また、飲食や外食が特定技能を早めにやるといいのは、特定技能は他社の人材を引き抜くことが禁止されているからです。他社で引き抜きができない以上は、人材が固定化しやすいです。


ーーでも、特定技能って転職できるんですよね??

谷島 制度では出来るとなっていますが、実際に転職するのは難しいです。

たとえば、A社で働いていて、B社に転職する場合、ビザ自体はA社で許可が降りているので、移行手続きで2~3ヶ月かかります。それに「A社」も「B社」も「両社をサポートしている登録支援機関」も手続きが大変です。また、ビザ更新が不許可になると、ビザがなくなって帰国しないといけないので外国人にとってもリスクが高いですね。


ーー外国人は失踪イメージもありますが、特定技能はいかがですか??

谷島 特定技能では起こりにくいと私は思いますね。失踪はじつは技能実習生のベトナム人がほとんどです。理由は、ベトナムから日本に来るときに借金を背負ってくるスキームがあったからです。特定技能では、借金を背負うスキームになっていないので、失踪のリスクも低いですね。


特定技能は優秀な人材獲得のチャンスだ

ーー最後に採用を考えている企業に向けてメッセージをお願いします!

谷島 自社で受け入れが可能かどうかの相談は早めにすること。それをすれば、そもそも受け入れができないとかが判断出来る。候補をきめた段階でこの方々は雇えるのかを相談しにきていただけると、アドバイスが可能です。

また、企業からは特定技能の規制が複雑すぎて、活用したくないってなってしまう。そういう制度の難しさを理解するよりは、本業で儲けたほうがいいので、私達のような専門家にお任せください。

また、外国人のほうが日本人の若い人よりも能力やモチベーションが高く、活躍する人も増えています。


ーーわざわざ海外から働きに来ているので、目的をもった人が多いですよね。

谷島 日本語の問題もありますが、多少の日本語の間違いは問題にならない時代にはなってきているので、外国人採用は今後伸びてくると思いますね。

ーー谷島先生、インタビューありがとうございました!



Yudai Onodera

2018年からMUSUBEEの立ち上げに参画。MUSUBEEでは、マーケティングを担当。

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