【2020/5/12更新】飲食店向けコロナ対策支援サービスまとめ
- 特定技能
この記事では、飲食店をサポートする制度やサービスについてまとめてみました。
新型コロナウィルス感染拡大により飲食店では、売上や経営が厳しい状況が続いており、売上75%減という企業もあります。
また、
- 営業自粛や休業をしたら、飲食店の家賃や人件費が負担になるので、休業できない
- 外出自粛要請により、お客さんが減ってしまった
- 補助金を使いたいけど、なにがあるのかわからない
といった人も多いと思います。
利用できる制度をうまく活用して、新型コロナウイルスを乗り切りましょう!
緊急事態宣言の内容
まず、緊急事態宣言で要請されていることを整理します。
東京都が発表した「東京都緊急対策」によると、4月15日時点で飲食店事業に対しては、今回休業要請対象からは外れています。発表の中で飲食店は「社会生活を維持する上で必要な施設」に指定されています。
理由としては、国民の生活を支えるライフ基盤とされているためです。運営を禁止してはいませんが、運営方法に関して制限があります。
①飲食店(居酒屋含む)、料理店、喫茶店など営業時間短縮。朝5時から夜8時
②酒類提供は夜7時まで(テイクアウトは除く)
などです。
参考までに、東京都が発表した「社会生活を維持する上で必要な施設」として指定された施設表を抜き出してきました。
◎「社会生活を維持する上で必要な施設」
施設の種類 | 要請内容 | 内訳 |
医療施設 | 適切な感染防止対策の協力要請 | 病院、診療所、薬局 等 |
生活必需物資 販売施設 |
適切な感染防止対策の協力要請 | 卸売市場、食料品売場、百貨店・ホームセン ター・スーパーマーケット等における生活必需物 資売場、コンビニエンスストア 等 |
食事提供施設 | 適切な感染防止対策の協力要請 営業時間短縮の協力要請 |
飲食店(居酒屋を含む。)、料理店、喫茶店 等 (宅配・テークアウトサービスを含む。) ※営業時間の短縮については、朝5時から夜8 時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7 時までとすることを要請。(宅配・テークアウトサー ビスは除く。) |
住宅、宿泊施設 | 適切な感染防止対策の協力要請 | ホテル又は旅館、共同住宅、寄宿舎又は下宿等 |
交通機関等 | 適切な感染防止対策の協力要請 | バス、タクシー、レンタカー、鉄道、船舶、航空 機、物流サービス(宅配等) 等 |
工場等 | 適切な感染防止対策の協力要請 | 工場、作業場 等 |
金融機関・官公署等 | テレワークの一層の推進を要請、 適切な感染防止対策の協力要請 |
銀行、証券取引所、証券会社、保険、官公署、事務所 等 |
その他 | 適切な感染防止対策の協力要請 | メディア、葬儀場、銭湯、質屋、獣医、理美容、ランドリー、ごみ処理関係 等 |
(*参照:東京都令和2年4月15日「東京都緊急対策(第4段)」)
通常運営時の注意
衛生管理・感染防止対策の徹底が求められます。
従業員の負担軽減とコストの削減のため、必要に応じてメニューの絞り込みや営業時間の短縮、従業員の配置換え等を検討しましょう。
テイクアウトやデリバリーメニューの充実・強化、あるいはこれらに特化した営業への転換も必要です。
農林水産省のガイドラインによると、飲食店運営では以下のことが求められます。
【衛生管理】
通常の衛生管理に加え、以下のような対応が必要です。
①感染者が出た場合、保健所の指示に従い、感染者が勤務した区域の消毒
②手指が頻繁に接触するようなドアノブや、スイッチ、手すり等の消毒
【感染防止対策】
① 従業員の体温測定と記録
② 従業員に発熱などの症状がある場合、自宅待機の徹底
③ 従業員が以下の症状を患う場合には保健所に問い合わせ
・ 体温 37.5 度以上の熱が4日以上継続した場合(解熱剤を飲み続けなければ ならない場合を含む)
・ 強いだるさや息苦しさがある場合
・ 基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))、透析を受けている、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている、などの従業員で、風邪の症状や 37.5 度以上の発熱、強いだるさや息苦しさが2日程度続く場合
④できるだけマスクを着用した上での運営
⑤飲食店内の席の配置、換気に配慮し、密閉、密集、 密接の空間にならないように工夫する。
などです。
新型コロナウイルスの感染が発生しやすい環境には、3つの共通した条件があるので、同じ状況にならないように注意して運営してください。
【参考】
これまで集団感染が確認された場に共通する3つの条件
① 換気の悪い密閉空間であった
② 多くの人が密集していた
③ 近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた
出所:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の見解(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 (3月9日)」
・農林水産省『食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン』
https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/pdf/gl_syo.pdf
休業する場合の対応
今回の都道府県知事が行う就業制限により、外食企業の事業者が休業する場合、休業手当の支払いを従業員にするは必要がありません。
ただし、発熱の症状があるという理由だけで、従業員を休ませる場合は、会社に責任がある理由で従業員に休業を要請したとして、会社は休業期間中に休業手当を払う必要があります。休業手当は、平均賃金の6割以上です。
新型コロナウイルス対策補助金
外出自粛により、売上が下がった企業は助成金が活用できる可能性があります。
特別利子補給制度
特別利子補給制度は、中小企業機構基盤整備が行っている助成金です。
「新型コロナウィルス感染症特別貸付」等による借入をおこなった中小企業の支援策として、一定の要件のもと、利子額分を中小企業基盤整備機構が補填することで、実質的な無利子化がなされます。
(参照:中小企業基盤整備機構『新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業のご案内』)
○中小企業基盤機構『新型コロナウィルス感染症 特別利子補給事業のご案内』
https://www.smrj.go.jp/news/2020/favgos000000ik2i-att/interest_flyer_03.pdf
雇用調整助成金の特別処理
雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対して、雇用の維持を図るために、休業手当に要した費用を助成する助成金です。
令和2年4月1日から令和2年6月30日までの期間は緊急対応期間として、中小企業では助成率が約80%、大企業では助成率約が65%で対応しています。こちらも厚生労働省のホームページから詳細情報を確認できます。
○厚生省『雇用調整助成金』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
助成金以外の飲食店応援サービス
新型コロナウィルスの影響で売上が下がってしまった企業を支援するサービスについてご紹介します。
たとえば、「先払いサービス」や「テイクアウト」、「クラウドファンディング」などです。なかには、コロナ不況期間中は無料で使えるものもあります。
先払いサービス
新型コロナウイルス不況を受けて、最近話題になっているのが、飲食代の先払いサービスです。
お客様に未来の飲食代を先払いで購入していただくことできます。先払いでお客様からお金を頂くことによって、原価分の固定費を補おうという取り組みが行われています。いくつかサービスを紹介します。
■キッチハイク
「飲食チケット」というチケット制で飲食代を先払いしていただくサービスです。、お客様は支えたいと思う飲食店の「飲食チケット」を購入し、飲食店を支えることができます。「飲食チケット」は飲食代の他、テイクアウトやデリバリー料金の先払いとして使っていただくことも可能です。
お客様は飲食代+決算手数料5%を「飲食チケット」代として支払うので、飲食店は飲食代の全額を得ることができます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、プロジェクト運営者が必要な資金をオンラインで募り、プロジェクト実施に賛同した方から資金を調達する方法です。プロジェクト運営者は、資金調達のお礼として賛同者に特典を渡します。
飲食店でもこのクラウドファンディングを利用する事例が増えてきています。そのような事例では、将来使える飲食券や特別なメニューの飲食券などをプロジェクト参加の特典として設定し、クラウドファンディングを実施しています。
■クラウドファンディングの成功事例をご紹介します。
(引用:CAMPFIRE『新型コロナウイルスに負けない!飲食したつもりで柏の飲食店を応援!』https://camp-fire.jp/projects/view/250060?list=projects_popular)
こちらの事例では、柏の飲食店オーナーがプロジェクト運営者となり、食券をお礼の特典としてクラウドファンディングを実施しています。4月23日時点で2千万以上を集めており、多くの賛同者を集めているプロジェクトになっています。
テイクアウト・デリバリー販売
新型コロナウィルス感染症の対策として、飲食店で作ったものを購入して家で食べる人も増えていますよね。そこで、テイクアウトメニューの販売を開始する際に実施すべきことや注意点についてご紹介します。
<テイクアウト時の注意>
テイクアウトする商品によって、許可が必要な場合があります。
たとえば、ケーキやお菓子の販売のために、貸製造業やアイスクリーム類製造業の許可が必要だったり、ハムやソーセージは食肉製品製造業の許可が必要です。事前に管轄の保健所に確認しましょう。
■参考
一般社団法人日本フードサービス協会『緊急事態宣言下における外食産業のための新型コロナウイルス感染症対策』
http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/jf_kinkyujitaiji_corona_taisaku.pdf
GoogleMapでテイクアウトを表示
GooleMapの機能を使い、テイクアウト販売を実施していることお客様に伝えることができます。この機能を利用することで、GooleMapでテイクアウトの飲食店を探しているお客様に情報を伝えることができ、購入しに来てくれる可能性が上がります。
操作方法は、
①Googleマイビジネスにログイン
②メニューにある「サービス」をクリック
③業種追加で「飲食店」と「テイクアウト」を入力
■出前館
自分たちで集客が難しい場合、出前ができる飲食店が登録している出前館を使う方法もあります。
一度お問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
■Uber Eats
■MEDY
大阪市内でテイクアウトできる店を掲載中。無料で掲載できるので、サイトをみたお客さんが、来てくれる可能性が高まります。
○MEDY「コロナ対策!大阪市内でテイクアウト&デリバリーができる飲食店リスト作成中!」https://www.mdl-media.jp/takeout-delivery-list-osaka/
料理サロン
(引用:CAMPFIRE『sio鳥羽周作 《料理楽しい研究所》 研究員募集』)
https://community.camp-fire.jp/projects/view/232098
オンラインで料理動画を放送したり、メニューを説明したりするようなオンラインサロンを行う外食企業も出てきています。
自宅待機要請を受けて自炊する機会が増えたことにより、料理の作り方を調べる人が増えています。需要が高まっている今だからこそチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
休業中の従業員を一時雇用。電話オペレーターの業務を委託『fondesk』
飲食店が休業してしまい、従業員の雇用で影響を受けている企業向けに電話オペレーター業務を一時委託する企業も出ています。
5月29日までに以下のサイトから申し込みができるので、申し込んでみるのはいかがでしょうか。
『【新型コロナで休業中の接客・観光業などの従業員を一時起用】 オフィスにかかってくる電話の一次取次サービスfondeskが「在宅電話オペレーター」を募集 ~在宅の電話応対で「3密」を回避~』
おわりに
MUSUBEEでは、飲食店企業のみなさまと共に新型コロナウイルスに伴う現状を乗り越えられるよう、引き続き新型コロナウイルス対策情報を発信して参ります。