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特定技能外国人には健康診断が必要? 費用や負担者、タイミング、注意点を解説!

特定技能で外国人を雇用する場合に健康診断が求められます。理由や費用、負担者、指定診断機関などが気になりますよね。今回は特定技能外国人の雇用で求められる健康診断の概要に関して、根拠や必要な書類、注意点などを解説します。特定技能外国人を受け入れる手続きの理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

特定技能技能外国人に健康診断を行う理由

特定技能外国人に健康診断を行う理由について根拠を知りたい方もいるでしょう。健康診断を行う理由を法律の条文から確認してみます。

上陸の審査条件に健康に関する記述が含まれている

“前項本文の外国人は、その者が上陸しようとする出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けなければならない。”
”入国審査官は、前条第二項の申請があつたときは、当該外国人が次の各号に掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。”

引用:出入国管理及び難民認定法 第六条 第七条(e-Govポータル)

”法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動

申請人が次のいずれにも該当していること。

ロ 健康状態が良好であること。”

”法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第二号に掲げる活動

申請人が次のいずれにも該当していること。

ロ 健康状態が良好であること。”

引用:出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(e-Govポータル)

出入国管理及び難民認定法では、上陸の申請をした特定技能外国人は、1号・2号の場合ともに健康状態が良好であることを条件としています。

外国人でなくても健康診断は義務づけられている

特定技能外国人でなくても、雇用主は労働者に健康診断を行うこと義務づけられています。

”事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

一 既往歴及び業務歴の調査
二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力をいう。次条第一項第三号において同じ。)の検査
四 胸部エックス線検査
五 血圧の測定
六 血色素量及び赤血球数の検査(次条第一項第六号において「貧血検査」という。)
七 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査(次条第一項第七号において「肝機能検査」という。)
八 低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDLコレステロール)、高比重リポ蛋たん白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査(次条第一項第八号において「血中脂質検査」という。)
九 血糖検査
十 尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査(次条第一項第十号において「尿検査」という。)
十一 心電図検査”

引用:労働安全衛生規則 第四十三条(e-Govポータル)

特定技能外国人の健康状態を証明する書類

健康状態が良好であることを示すためには、当然書類が必要です。

特定技能技能外国人が、特定技能に関する活動を安定的かつ継続的に行えることを証明するための書類は、「健康診断個人票」と「受診者の申告書」です。

参考:特定技能外国人受入れに関する運用要領 令和4年5月(出入国在留管理庁)

書類1.健康診断個人票

引用:特定技能外国人の在留諸申請に関するもの 健康診断個人票(出入国在留管理庁)

健康状態の立証資料は、指定された健康診断個人票でなくてもよいとされています。

ただし、健康診断個人票に記載された検診項目を検診していなければなりません。記載漏れがあると該当する項目の受診が求められる場合があります。

また、安定・継続的に就労活動を行うことについて医師の署名が必要です。

雇用契約締結後に、被雇用者の外国人に対して事前ガイダンスを行います。労働条件や活動内容、入国手続き、保証金徴収の有無などに関して対面あるいはテレビ電話で説明します。

書類2.受診者の申告書

受診者の申告書は、健康診断を受診するにあたって通院歴や手術歴、投薬歴を医師に申告したことを確認するための書類です。健康診断受診後に年月日と署名を記載しなければなりません。

引用:特定技能外国人の在留諸申請に関するもの 健康診断個人票(出入国在留管理庁)

特定技能に関する健康診断の基礎知識

特定技能に関する健康診断について最低限知っておきたい基礎知識を解説していきます。

健康診断の費用と負担者

特定技能に関する健康診断の費用は、約1万円が相場とされています。特定技能外国人を受け入れる企業が費用を負担しなければなりません。

健康診断を受ける場所

すでに日本に在住している外国人であれば、日本にある病院で健康診断を行ってもらいます。海外から来日する外国人であれば海外の病院で健康診断を行ってもらいます。

健康診断の項目

健康診断の項目は下記の通りです。

・身長
・体重
・胸囲
・視力
・聴力
・結核等
・血圧
・貧血検査
・肝機能検査
・血中脂質検査
・血糖検査
・尿検査
・心電図検査
・その他の検査

健康診断のタイミング

日本に入国する場合は、申請日から遡って3か月以内に、健康診断を受診しなければなりません。技能実習生が特定技能に変更する場合は、申請日から遡って1年以内に日本の医療機関で健康診断を受けていれば、診断書の提出として差支えありません。

特定技能外国人の受入企業が知っておくべき健康診断の注意事項

特定技能外国人を受け入れる企業が知っておくべき健康診断の注意事項をまとめてみます。

健康診断個人票は母国語で作成する

健康診断個人票は、申請人が十分に理解できる言語で作成しなければなりません。また、日本語訳もあわせて提出する必要があります。
なお、出入国在留管理庁のホームページでは、外国語に翻訳された様式が公開されています。該当する言語の様式を探してみましょう。

引用:特定技能外国人の在留諸申請に関するもの 健康診断個人票(出入国在留管理庁)

提出する健康診断票には有効期限がある

特定技能外国人が提出する健康診断票の有効期限は、特定技能ビザを申請する日からさかのぼって過去1年以内です。健康診断を早く受けすぎてしまわないように注意が必要です。

健康診断に問題があった場合

健康診断に問題があった場合は別途検査が必要になります。たとえば、診断項目のうち胸部エックス線検査に異常所見があった場合、喀痰検査を実施したうえで活動性結核でないことを確認しなければなりません。
最終的に業務を安定かつ継続的に行うのが難しいと判断された場合は、特定技能ビザの申請が認められない恐れがあります。

まとめ

以上、特定技能外国人を雇用するうえで健康診断が必要な根拠や、特定技能に関する健康診断について最低限知っておきたい基礎知識を解説しました。

特定技能外国人を受け入れるときの健康診断に関して、提出すべき書類や発生する費用などがおわかりいただけたでしょう。

健康診断個人票は、特定技能外国人が理解できる言語で作成しなければならない点に注意が必要です。指定された書類でなくても受け付けてもらえますが、該当する項目に記載漏れがあると別途検査が必要になる点にも気をつけてください。

特定技能外国人をスムーズに受け入れられるように、健康診断の手続きをあらためておさらいしておきましょう。


MUSUBEE編集部

特定技能の外国人採用を考える企業にとってお役立ち情報を提供します。

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