介護事業者の選択!正解は「特定技能」と「技能実習」のどちら?
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- 技能実習
- 特定技能
\この記事でわかること/
- 「介護事業者が特定技能を選択する理由3選」
- 「介護事業者が技能実習を選択する理由3選」
介護事業の人手不足を解消するために、外国人を雇用する動きが加速しています。採用の方法としてよく選ばれているのは特定技能と技能実習です。
今回は、介護事業者が特定技能と技能実習を選ぶ理由を解説します!また、それらに加えて別の採用方法についても紹介します。
どうして特定技能が介護事業者に選択される?
特定技能が選ばれる主な理由は、以下に挙げる3つのメリットがあるからです。介護事業者にとって魅力的なことばかりなので把握しておきましょう。
現場の増員をすみやかに行える!
外国人を人員の配置基準にすぐ加えられます。
介護の現場は少しでも早い人員の投入を望んでいることが多いです。しかし、他の方法で雇用した場合、外国人を半年間は配置基準に組み入れられない場合があります。
その期間を乗り切りるために臨時で日本人を募集すると、その分だけ採用活動に時間と費用がかかりますし、応募者が現れるまで人手不足が続くので注意しなければなりません。特定技能による雇用にはこのようなリスクがないため、現場の増員というニーズをすぐに満たしたい介護事業者に選ばれることがよくあります。
開所からの年数が影響しない!
一口に介護事業者といっても営業の実績はさまざまです。
開所から何年も経って安定している事業所もあれば、開所したばかりで運営が軌道に乗っていない事業所もあります。後者のような新設のケースでも外国人の受け入れが可能であることは、特定技能で雇用する大きなメリットです。
新設から一定期間は受け入れが認められない雇用の方法もあるので気を付けましょう。
スタート直後の不安定な頃こそ人員の確保に苦労しがちであるため、これから開所する事業所や開所して間もない事業所にとって、このメリットは非常にありがたいものです。
多くの人数を確保しやすい!
採用できる人数が多いこともメリットの一つです。
雇用の方法によっては、年度あたりの採用枠が日本人の常勤介護職員の数より、ずっと少なく制限されていることがあります。特定技能による雇用はそのような制限がなく、日本人の常勤介護職員の数まで外国人の雇用が可能です。
したがって、離職者が相次ぐなど人手不足が顕著な場合でも、一気に増員して現場の状況を立て直せる見込みがあります。初年度の段階から適用されるルールであるため、介護職員の数を十分にそろえてスタートしたい場合にもうってつけです。
なぜ技能実習が介護事業者に選ばれる?
技能実習が選択される主な理由として、3つのメリットの存在が挙げられます。以下にそれらを紹介するのでチェックしておきましょう。
転職の心配をせずに済む!
雇用した後にすぐ転職されると、費用や時間の面で介護事業者は大きな負担を被ります。
ですから、なるべく継続の意志が強い外国人を優先的に採用したいと考えるのは当然です。一般的な採用活動でそのような人材を見極めることは難しいですが、技能実習で雇用するなら転職の心配をしなくて済みます。
なぜなら、指定の事業所で技術を学ぶことを条件として、日本に在留することが許可されているからです。外国人が自分の意思で勤務先を変更することは認められていません。
すなわち、転職されてしまうリスクがないということです。
雇用できる期間が長い!
働ける期間が長いことも大きなメリットです。
たとえ転職を防げるとしても、そもそも就労を認められる期間が短ければ、採用活動を頻繁に行わなければなりません。
技能実習であれば、最長で5年間の勤務が認められていますし、特定技能の雇用に移行するとさらに5年間も働けるようになります。
つまり、就労の期間はトータルで10年間にも及ぶ見込みがあるのです。なお、技能実習を3年行った段階で、上記の移行は試験を受けなくても可能になります。
応募したいと考える人が多い!
採用希望者を集めやすいことも、介護事業者にとって嬉しいポイントです。
外国人は難易度の高い複数の試験をクリアする必要がなく、自国で日本語能力試験の4級に合格すれば、日本で働く資格を得られます。さらに、監理団体と呼ばれる非営利の組織が研修を実施してくれることもメリットです。
外国人や介護事業者はその分だけ教育の費用を抑えられます。このように就労に向けてのハードルを下げる要素があり、それに魅力を感じた外国人の応募が多くなるというわけです。
特定技能と技能実習の他にどのような方法があるの?
外国人を雇用する手段は、特定技能と技能実習だけではありません。他の主な方法として以下の2点があるので、状況によっては候補に加えると良いでしょう。
介護福祉士の有資格者を採用
国家資格である介護福祉士を持つ外国人の採用という方法があります。
この国家資格を得るには、現場での経験や養成施設での学習が一定期間必要です。試験の専門性も非常に高く、合格するには相応の努力と勤勉な姿勢を求められます。
簡単ではありませんが、取得できた場合は在留の更新を何度でも行えるので、ずっと日本で働き続けることも可能です。
したがって、この方法で採用した外国人には、末永く活躍してもらうことを期待できます。優秀な有資格者であるため、能力的にも日本人に劣らない戦力として計算できるでしょう。
EPAにもとづく採用
EPAとは「Ecconomic Partnership Agreement」の略で、日本語での表現は「経済連携協定」です。
これは文字どおり経済の連携を強化するための取り決めであり、その中に介護福祉士の取得を目指す外国人の受け入れも挙げられています。ですから、介護事業者はこの協定に従う形で外国人を採用することも可能です。
ただし、受け入れても4年以内に合格できなければ、在留できなくなる点を理解しておく必要があります。慌てて人員を補充するような事態になりかねないので要注意です。
一方、介護福祉士を無事に取得できた場合は、上記のように期間の制限なく日本で働けるようになります。また、取得を断念した場合に、特定技能の雇用に移行するという選択肢も残されています。
自社にとってのメリットの大きさで比較!
特定技能と技能実習にはそれぞれ選ばれる理由があります。
]一気に多数を採用したい場合は前者で、できるだけ長く就労させたい場合は後者というように、介護事業者の事情により選択の基準はさまざまです。
これから採用するなら、自社にとってメリットの大きいほうを見定める必要があります。両者以外の方法も含めて、特徴をしっかり把握することから始めましょう。