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受け入れ機関・特定技能所属機関とは?登録支援機関との違いも解説

特定技能ビザでの外国人採用について調べていると「受け入れ機関」や「特定技能所属機関」という言葉が出て来るかと思います。しかし、受け入れ機関というのは何か、はたまた特定技能所属機関とは何か、ご存じでしょうか。調べてみたけどよくわからない、と思ったことはありませんか。

この記事では「受け入れ機関」や「特定技能所属機関」になるための基準や、登録支援機関との違いを分かりやすく解説します。

特定技能の「受け入れ機関」とは?

そもそも特定技能ビザで検索して出てくる受け入れ機関とは、何なのでしょうか。

実は、「受け入れ機関」とはそのような特殊な団体があるわけではなく、特定技能外国人を雇用する資格を得た企業や団体のことを言います。また特定技能所属機関もこれと同義です。

ですから、みなさんの企業も特定技能ビザで外国人を採用する資格を持っていれば「受け入れ機関」ということになります。

受け入れ機関になるための基準

受け入れ機関になるためには、いくつかの基準を満たして必要な届出をする必要があります。

基準を満たさなければ、残念ながら受け入れ機関として特定技能外国人を受け入れることはできません。それでは具体的に受け入れ機関になるための満たすべき基準とは何なのか、詳しく見ていきましょう。

①特定技能ビザの受入が可能な産業分野に所属していること

受け入れ機関になるために最も重要なのは、特定技能ビザで外国人を受け入れることが可能な特定の産業分野に所属しているということです。

特定技能ビザで外国人を受け入れることが可能なのは14業種あります。政府が定めた14の業種以外では、雇用することが認められていません。具体的には、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業です。

これらの分野に該当するかどうかを、一番初めに確認しましょう。特定技能ビザでの受入準備をしていたのに、受け入れられる産業分野に所属していなかったとなっては意味がありませんよね。

また、分野だけでなく業務内容も確認しておくと安心です。実は産業分野は問題なくても業務が合わない場合もあります。例えば、介護業界でいえば訪問サービスは特定技能ビザで従事できる業務には含まれていません。そのため、たとえ分野があっていたとしても、業務内容が定められているものと違えば雇用できません。

所属する業種がわからない場合は、行政書士や、MUSUBEEにご相談いただいても構いません。業務内容についても、不明なことがありましたらぜひご相談ください。

②出入国法や法令に違反していないこと

受け入れ機関は、法令に違反していてはいけません。

基準となるのは過去5年間で出入国管理関係法令、労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令等に違反がないことです。また、労働や社会保険、租税等に関する法令違反がないことも大切です。

さらに、特定技能で雇用する外国人と雇用契約を結んだとして、1年以内に同じ仕事に従事していた従業員を離職させていないこと、もしくは外国人の行方不明者を出していないことが挙げられます。

その他、5年以内に技能実習法に基づき実習認定を取り消されていない、出入国や労働法に違反する脅迫・暴行・脅しを行っていないことなどです。

加えて、外国人のパスポートを取り上げる、給与の不払い等も違反になります。

一見すると難しいようですが、法令を遵守してさえいれば何の問題もありません。ただし、これらの違反をしてしまった場合には、受け入れ機関として認められない可能性があります。

③採用後に特定技能外国人を支援する体制がきちんと整っていること

特定技能ビザは1号と2号があります。このうちの特定技能1号外国人に対しては、受け入れ機関が採用後から職業上、生活上で必要な支援を施すことが義務付けられています。

職業上、生活上で必要になる支援とは、国がその内容を定めており、雇用契約の内容について説明を行う、住居の確保や必要な手続きについて支援する、などです。

こちらの支援業務についての詳細は、こちらの記事にまとめがありますのでどうぞご確認ください。



また初めて特定技能ビザで受入を行う場合などは、どのように支援を実施していけばいいかわからないこともあるでしょう。そのような場合には、登録支援機関に委託することがおすすめです。

登録支援機関との違いとは?

登録支援機関とは、特定技能外国人を雇用する受け入れ機関から依頼を受けて、職業上や生活上で発生する特定技能外国人の支援業務を行う専門機関です。

受け入れ機関は登録支援機関に支援計画の作成や実施を代行してもらうことが認められています。

登録支援機関を利用するメリットとデメリット

登録支援機関へ委託するメリットは、ノウハウが何もない状態で支援に関することに人材と時間を費やさなくてもいい、という点です。

デメリットとしては、費用が掛かる点が挙げられますです。

登録支援機関を利用する際の注意点

登録支援機関にもさまざまで、必要な費用や支援範囲も機関によって異なります。数社を比較し自社に最も合ったプランを提供してもらえる登録支援機関を頼ると良いでしょう。

受け入れ機関が特定技能外国人と結ぶ雇用契約

受け入れ機関の義務として、採用した特定技能外国人と適切な雇用契約を結ぶことが挙げられます。

特定技能ビザの雇用契約には、特有の基準が設けられています。受け入れ機関である企業や団体は、この基準を守るような雇用契約を結ぶことが義務付けられています。

どのような基準があるのかを、一つずつ見ていきましょう。また、より詳細な内容についてはこちらの記事をご確認ください。



特定技能雇用契約の基準

労働時間はフルタイムと定められています。目安は週休2日、つまり週5日勤務で最低30時間以上働くことができます。

アルバイトなどの週2,3日の勤務や1日3時間程度の労働では特定技能は申請できないため、注意が必要です。また派遣での雇用は一部の産業を除き認められていません。

給与は日本人と同じかそれ以上でなくてはなりません。とくに最低賃金を下回るようでは、申請が受理されないので気を付けましょう。

労働時間や給与だけではなく、福利厚生も日本人と同じかそれ以上である必要があります。特に社会保険や労災保険は必ず必要です。企業が従業員に対して用意する保養所などの福利厚生も、例外なくきちんと利用できるようにします。

もし外国人が国に一時帰国する場合などもありますので、有給休暇を取得できるようにすることも必要です。

雇用契約の内容は、特定技能の在留資格を申請するときに細かく確認されるため、これらの基準が満たされていない場合には許可を得ることができないこともあります。そういったことのないように、雇用契約書は見落としがないかチェックしてから申請しましょう。

受け入れ機関が提出する届出

受け入れ機関は、特定技能外国人の採用を決定し、雇用契約を結ぶと、様々な届出を国に行う義務が生じます。

届出には受け入れ人数の変更や、支援内容の変更などに変化があった際に提出する「随時届出」と、四半期に1回提出する「定期届出」の2種類があります。特に定期届出は非常に重要であるため、必ず提出しましょう。

定期届出①受入れ状況に係る届出

外国人の活動日数や、業務内容についてを記載する書類です。こちらは雇用している外国人ごとに提出する必要があります。

定期届け出②支援実施状況に係る届出

特定技能外国人の1号を持っている人には、必ず企業や団体が支援する必要があります。この届出はその支援の実施内容を記載するものです。

定期届出③活動状況に係る届出

社会保険の加入状況や報酬の支払い状況、離職者数や行方不明者数などの外国人の詳しい状況を記載するための書類です。

定期届出の提出期間

定期届け出は、翌四半期の初日から14日以内に提出しなくてはなりません。提出する機関は、地方出入国在留管理局です。直接持っていくのが確実ですが、郵送でも問題はありません。ただし、支援実施状況に係る届出だけは、支援の実施を登録支援機関に委託している場合は、受け入れ機関には提出の必要はありません。

各種届出を怠った場合

受け入れ機関が各種届出の提出を怠った場合、または届出の内容から基準不適合が確認された場合には、是正するよう地方出入国在留管理局から指導・助言されることがあります。

指導・助言があったにも関わらずこれに対処しない場合は、改善命令の対象となります。

地方出入国在留管理局から指導・助言されることがあった場合には速やかに是正を行いましょう。

まとめ

受け入れ機関とは具体的にどのようなものか、お分かりいただけたでしょうか。

登録支援機関と同じように、特殊な機関と思われがちですが、特定技能外国人を雇いたいという基準を満たして届け出が受理された企業や団体が、受け入れ機関と呼ばれます。

受け入れ機関の基準を満たせば、外国人を新たな従業員として雇うことができます。

何か不明な点などございましたらお気軽にご相談ください。



MUSUBEE編集部

特定技能の外国人採用を考える企業にとってお役立ち情報を提供します。

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