2022特定技能最新状況!一番多く国は?どの分野の特定技能人材が一番多いか?解説します!!
2019年4月からスタートした特定技能外国人制度。すでに4年目の運用に突入していますが、制度の内容が見直され始めています。あらためて最新の動向とともに概要をおさらいしたい方も多いのではないでしょうか。
今回は、特定技能制度の概要や最新動向、メリットなどを解説していきます。今後も継続して特定技能制度を利用すべきか迷っている方や、これから利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
特定技能とは?
特定技能制度とは、国内で労働不足が深刻な業界において外国人を受け入れるための在留資格制度です。
特定技能の種類
特定技能は、特定技能1号と特定技能2号の在留資格に分かれています。
【特定技能1号】
特定技能1号では、特定産業分野に関する相当程度の知識・経験にもとづく技能が求められます。在留期間は、1年、半年、4か月ごとの更新制であり、上限は通算で5年までです。
家族の帯同は認められていません。受入機関や登録支援機関による支援対象です。
【特定技能2号】
特定技能2号では、特定産業分野に関する熟練した技能が求められます。在留期間は、3年、1年、半年ごとの更新制です。
要件を満たせば配偶者と子の帯同が認められます。受入機関や登録支援機関から支援を受けられません。
【特定技能1号と特定技能2号の比較表】
比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
必要な技能 | 相当程度の知識・経験にもとづく技能 | 熟練した技能 |
在留期間 | 1年、半年、4か月ごとの更新制 ※上限は通算で5年まで |
3年、1年、半年ごとの更新制 |
家族の帯同 | 不可 | 要件を満たせば可能 |
受入機関や登録支援機関からの支援 | 可能 | 不可 |
受入分野 | ■介護 ■ビルクリーニング* ■素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業* ■建設 ■造船・舶用工業 ■自動車整備* ■航空* ■宿泊* ■農業* ■漁業* ■飲食料品製造業* ■外食業* |
■建設 ■造船・舶用工業 |
特手技能1号の「素形材産業分野」と「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」は今まで分かれていましたが、現在は一つにまとめられて合計で14分野から12分野になりました。
なお、特定技能1号の*の分野に関しては、制度が見直されて2号に追加される方向になりました。
今後はほとんどの業種で上限期間なしで在留できるようになり、家族の帯同まで認められるということです。
特定技能人材の受入見込み数
分野 | 受入見込み数 |
---|---|
介護 | 60,000人 |
ビルクリーニング | 37,000人 |
素形材産業 | 21,500人 |
電気・電子情報関連産業 | 5,250人 |
建設 | 40,000人 |
造船・ 舶用工業 | 13,000人 |
自動車整備 | 7,000人 |
航空 | 2,200人 |
宿泊 | 22,000人 |
農業 | 36,500人 |
漁業 | 9,000人 |
飲食料品製造業 | 34,000人 |
外食業 | 53,000人 |
介護や外食の分野などの受け入れ見込み数が高いことがわかります。
特定技能の最新現状
出入国在留管理庁が発表した令和4年3月末のデータをもとに、特定技能外国人の最新動向を確認してみましょう。
ベトナム籍の方が相変わらず圧倒的に多い
特定技能外国人の総数は64,730人です。国籍・地域別の人数と割合をまとめてみます。
ベトナム出身の特定技能外国人の人数がダントツで多い結果です。全体の半数を超えています。フィリピンやインドネシア、中国などの合計人数が全体の約4分の1を占めています。特定技能制度を利用する国は、偏っているのが現状だといえそうです。
飲食料品製造業が最も高い割合
次に、特定技能外国人の人数と割合を産業別にまとめてみます。
飲食料品製造業が最も高い割合になりました。
飲食料品製造業は、目視や手作業に頼らなければならない工程があり、機械化による対応に限界がある分野として知られています。
その点で、特定技能外国人を採用して人材不足を補っている事業所が多いのでしょう。
特定技能人材は愛知県が特に多く
特定技能外国人が多いエリアをまとめて、それぞれの人数や割合をご紹介していきます。
愛知県が特に多く、続いて千葉県や埼玉県、茨城県などの首都圏が多いことがわかります。意外にも経済の中心地である大阪府や東京都は上位ではありませんでした。
特定技能採用のメリット
特定技能外国人を雇用する魅力が気になる方も多いでしょう。特定技能採用のメリットを解説していきます。
メリット1.人手不足を解消できる
外国人を採用することで人手不足を解消できます。
ただ、就労が許可されていない外国人も国内には存在しています。たとえば、留学生や扶養される立場の家族などです。
その点、特定技能人材は明確に労働力不足を補うための在留資格です。
人手不足解消のために企業が安心して外国人を雇用できます。
メリット2.多言語対応できる
特定技能採用で外国人を雇用すれば、母国語を活かした接客が可能になります。
たとえば、ネパール料理を販売している飲食店であれば、ネパール人が来客する可能性もあります。ただ、言語の壁があるので、日本人だけでは適切に接客しづらいです。
その点、ネパール人の特定技能人材を雇用すれば、ネパール人客への対応がスムーズになるでしょう。
外国人客をターゲットにしている業種と特定技能人材の相性は高いといえます。
メリット3.即戦力として働いてもらえる
特定技能外国人は、業界ごとに技能試験が課されています。
たとえば、介護分野の特定技能外国人は、介護技能評価試験を受験します。高齢者の体の変化や、介護における適切なコミュニケーション方法、排せつの介護で重要なことなど、さまざまな知識が問われる試験です。
業界ごとに必要とされる業務知識を身につけているので、即戦力の社員を探している場合にも検討しやすいでしょう。
まとめ
以上、特定技能制度の概要をおさらいしつつ、特定技能外国人の受け入れに関する最新動向をご紹介しました。
特定技能制度の最新動向として大きな変化が見られたのは、特定技能1号のほとんどの分野が特定技能2号に追加されることになった点です。
今までほとんどの特定技能外国人は最長5年までしか在留できませんでした。しかし、特定技能2号の分野拡大によって無期限の在留が可能になります。
つまり、特定技能外国人を長期間育成できるようになるので、単純作業を任せる労働者だけではなく、会社のコア業務を担う労働者も発掘しやすくなるでしょう。
今後も特定技能制度のルールは、時代の流れに応じて変化していく可能性があります。最新動向を把握して、特定技能制度を有効活用していくことが重要です。