特定技能ビザでモンゴルから採用する場合に必要な手続き、注意点
- 特定技能
特定技能制度を利用して在留資格を得るにも、それぞれの国ごとの規則が作られています。
今回はモンゴルからの特定技能外国人を受け入れるために必要な手続きや、採用までの流れなどを解説します。
目次
二国間協定覚書の締結状況
まず、モンゴルと日本で締結されている二国間協定の締結状況について確認をしましょう。
日本政府と、モンゴル政府の間では、特定技能にかかわる二国間協定覚書が既に締結されています。内容は以下の通りです。
http://www.moj.go.jp/isa/content/930004253.pdf
現在のモンゴルからの受け入れ状況
現在のモンゴルからの受け入れ状況は、令和2年9月末時点の速報値で累計39名の受け入れがあります。そこまで多い人数ではありません。
しかし、特定技能制度が確立したため、今後の受け入れ人数増加に期待が持てるのは確かなことです。現地の民間送り出し機関に教育費や仲介料を払う必要もないため、企業とすれば費用面ではモンゴルからは受け入れやすいかもしれません。
モンゴルから受け入れる場合は特有な手続きが必要
特定技能外国人の受け入れは、国ごとに手続きや必要な書類などが違ってきます。特有の手続きが多い国は多々ありますが。モンゴルもまた、ほかの国にはない特有の手続きをしなくてはなりません。モンゴルからの特定技能外国人の受け入れは、GOLWSとの双務契約が必要であり、この部分がほかの国との明確な違いといえます。どのようなものであるのかを、詳しく見ていきましょう。
GOLWSのデータベース
モンゴルでは「特定技能モンゴル人候補者表」というものがあります。この候補者表はGOLWSのデータベースにアクセスすることによって閲覧できるのですが、アクセスするためにはGOLWSと双務契約を結ぶ必要があります。GOLWSは正式にはモンゴル労働・社会保障省労働福祉サービス庁といい、モンゴル政府が認定する唯一の送出機関です。
モンゴルから受け入れる際の手続きはここを通す必要があることを、覚えておくといいでしょう。
モンゴル現地の求職者を採用する際の流れを知ろう
モンゴルから日本へ受け入れる時の、採用の流れを知っておきましょう。募集の仕方から採用時の流れ、その後の支援方法など知りたいことはたくさんあります。モンゴルからの特定技能外国人の受け入れをされる場合はぜひご確認ください。どのように求人募集をし、面接・雇用までの手続きはどうすればいいのかなどを詳しく見ていきます。
①GOLWSとの双務契約をしよう
モンゴル現地に住む、モンゴル国籍の方を採用する場合、日本企業はGOLWS(モンゴル労働・社会保障省労働福祉サービス庁)の求職者データベースを利用するために、GOLWSとの双務契約を締結する必要があります。
GOLWSに登録するための具体的な手続は,以下のGOLWSのホームページに掲載されていますので御確認ください。
http://hudulmur-halamj.gov.mn/content/106
②人材を見つけよう
GOLWSは「特定技能モンゴル人候補者表」のデータベースを持っています。登録料を支払うことで、日本企業はこのリストを閲覧することができるようになります。その候補者の中から、雇用したい能力を持った人材を発掘しましょう。剪定の際には、面接することもできるため、必要であればGOLWSへ連絡を入れましょう。
人材は自社に合うような人を発掘するのが鉄則です。リストを見るだけではなく、面接することも可能であるため、できる限り理想に近い能力を持た人物を選びましょう。
③雇用契約を締結しよう
人材の選定や面接で自社に合った人物を見つけたら、雇用契約を締結しましょう。ただし、モンゴルではほかの国とは違い、締結された契約書はGOLWSを介して雇用契約の相手方に郵送されることになります。
④在留資格認定証明書の交付申請をしよう
雇用契約を締結すると、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請が必要になります。申請は地方出入国在留管理官署で受け付けています。申請が通って証明書が発行されたら、契約相手の外国人本人か、GOLWSへ原本を早急に郵送してください。ここで雄三するのは原本であり、間違ってもコピーを渡さないようにしましょう。
⑤入国・就労しよう
GOLWSが在モンゴル日本国大使館へ働き掛けてビザの発行申請をします。申請が通ってビザとパスポートが発行されれば、日本へ渡航することができます。特に何も問題がなければ、日本には入ることができます。ただし、ここで日本への上陸が認められれば、特定技能での在留資格がもらえます。
既に日本にいる求職者を採用する際の流れを知ろう
既にモンゴルから日本へ来ており、留学生や技能実習生として活動されている方を採用する場合の流れについて説明します。
モンゴル現地にいる求職者を採用する場合に比べて少し手間が少なく、受け入れ企業にとっても負担が少ない受け入れ方法となります。それでは、どのように求人募集をし、面接・雇用までの手続きはどうすればいいのかなどを詳しく見ていきます。
国内採用の場合は、技能実習生で来ている人や留学生としてきている人などを対象に求人募集を行い、雇用後に在留資格を特定技能へ変更することができます。すでに日本の在留資格を持っている人であれば、GOLWSへの登録は必要ありません。特定技能外国人の求人募集に応募し、問題なければ雇用契約を締結します。
費用はどれぐらい掛かるのか
国外採用の場合、送り出し機関は政府直属の機関であるために、教育費や仲介手数料といった費用が掛かることはありません。しかし、特定技能の候補者リストを見るのにデータベースに登録しているため、2年に1度登録費用として25000円程度必要になります。
また、一番初めの渡航費用は基本的に日本企業は負担となります。
採用時の注意点
外国から働きにくる方を受け入れるのは、国籍に関係なく大変難しいことです。そのためできるだけ文化や風習などといったものには配慮し、受け入れるように努力することが大切です。またまた、そのほかにも採用時の注意点があるので、気を付けましょう。
注意点①在留資格の確認
採用時は、必ず在留カードなどで在留資格を確認しておきましょう。もし不正入国や不法滞在であれば大変です。そのほか、本院の申告通りであるかどうかなど細かいところを確認できます。
注意点②日本語を話そう
たとえ日本語試験が既定のレベルに達していたとしても、専門用語や業務上必要な言葉・フレーズなどがあるなら、きちんと確認をしておきましょう。細かいニュアンスなどが伝わらなくては業務に支障をきたす、という場合など、確認を怠ると大変なことになってしまいます。
まとめ
モンゴルからの特定技能外国人を受け入れる手続きは、非常に簡単です。すべて政府の機関がしてくれるので、特に複雑な手続きが必要なく、他国にある民間の送り出し機関よりは費用も掛かりません。そのため、人材を受け入れやすい国であることは間違いないでしょう。まずは一度、試してみるのもおすすめです。現在データベースは整備中とのことですが、その間はメールで候補者表の通知も行ってくれるため、問題はありません。