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特定技能ビザでフィリピンから採用する場合に必要な手続き、注意点

特定技能ビザで、フィリピン国籍の方を特定技能で受け入れるにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

手続きは各国によって異なりますが、フィリピンの手続きは少し複雑です。初めて特定技能外国人を受け入れる場合は、わかりにくいこともあるのではないでしょうか。

今回は、フィリピンから特定技能外国人を受け入れるにあたってどのような手続きがあり、どのような機関とやりとりする必要があるのかについて分かりやすく解説していきます。

二国間協定の締結状況

まず、フィリピンと日本で締結されている二国間協定の締結状況について確認をしましょう。

日本政府は2019年3月に、フィリピン政府との間に二国間協定覚書を締結しました。同年4月より適用されています。これにより、在留資格「特定技能」をに関する運用を、日本とベトナムそれぞれの国の法令に基づき、両国間の協力を通じて行うことが決定しています。

またフィリピン労働雇用省は、特定技能の在留資格における日本への労働者の送出しに関するガイドライン(英文)を公表しています。

フィリピン特有の採用手続きについて解説

フィリピン国籍の方を特定技能で採用し、受け入れを開始する手続きについては、法務省ホームページにフローチャートが掲載されています。その中で、フィリピンが他の国とは違う手続きがいくつかありますので紹介します。

また、特定技能ビザの通常の採用の流れについてはこちらの記事をご確認ください。



フィリピン現地の認定送り出し機関と募集取決めを締結すること

フィリピン国籍の方に対して採用活動を行う場合、フィリピン政府から認定を受けた現地の認定送出機関を通じて人材の紹介を受ける必要があります。

現地の認定送り出し機関との提携にあたっては、人材の募集及び雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結を行う必要があります。

フィリピン海外雇用庁(POEA)に特定技能所属機関として登録されること

フィリピン国籍の方に対して採用活動を行う場合、日本の企業は必要書類を提出の上、所定の審査を受け、POEAに特定技能所属機関として登録される必要があります。

登録にあたっては審査が行われ、必要書類の提出や企業の代表者の方に対しての面接も行われるとのことです。

一連の審査を通し、雇用主として適正であると判断された企業は、POEAに特定技能所属機関として登録されます。

採用決定者が日本で働き始める前に海外雇用証明書(OEC)を発行する

こちらの海外雇用証明書の発行手続きは、通常現地の送り出し機関によって実施されます。

海外雇用証明書は、特定技能ビザの採用手続きにおいて、フィリピン側で必要となる手続きが完了していることを証明する文書です。

特定技能ビザで働く予定のフィリピン国籍の方は、送り出し機関を通じて海外雇用証明書の発行申請をPOEAに行います。

フィリピンから特定技能外国人を採用する流れを知ろう

フィリピン国籍の方を特定技能で採用し、雇用するには独特の手続きが必要だとご理解頂けたかと思います。続いてフィリピンから特定技能外国人を採用する流れを解説します。

きちんと理解し、必要な手続きをもれなくしましょう。たとえ採用したい人材がいたとしても現地機関とうまく連携が取れず手続きを完遂できない場合はビザ申請が不許可になってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

①現地の認定送り出し機関を探そう

フィリピン国籍の方を受け入れるにあたって、まずしなければならないことは現地の認定送り出し機関と募集取り決めを締結することです。そのために、まずは締結する現地送り出し機関を探しましょう。フィリピン政府が認定した送り出し機関は、法務省ホームページに掲載されています。

(法務省ホームページのURL)http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri05_00021.html

また、法務省ホームページに掲載されている現地認定送り出し機関は名称のみですが、フィリピンの海外雇用庁(POEA)のホームページでは、送出機関の連絡先などの詳細な情報も検索することができます。OPEAホーム内にある検索エンジン「Status of Recruitment Agencies」からご確認ください。

(検索エンジンのURL)http://www.poea.gov.ph/cgi-bin/agList.asp?mode=act

②現地の認定送り出し機関と募集取決めを締結しよう

現地の認定送り出し機関を探し、人材を紹介してもらう機関が決まったら、人材の募集及び雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結を行います。

募集取決めは、日本の公証役場で承認を経る必要があります。

募集取決めの参考様式は、駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所(POLO)のホームページにて公開されていますのでご参照ください。

(POLOホームページのURL)http://poea.gov.ph/agency/files/recr_agreement.pdf

③POLO等へ必要書類を提出し、POEAに特定技能所属機関として登録されよう

フィリピン国籍の方に対して採用活動を行う場合、所定の審査を受け、POEAに特定技能所属機関として登録される必要があります。審査にあたっては、POLO等へ必要書類の提出や面接の実施があります。まずは必要書類を準備しましょう。

必要書類は、労働条件等を記載した雇用契約書のひな形、前項で説明した募集取決め、求人や求職票などです。提出先は、POLOまたは在大阪フィリピン共和国総領事館労働部門です。郵送で提出します。

具体的な必要書類はPOLOのホームページに掲載されています。様式についても公開されていますのでご参照ください。



面接については、企業の代表者の方か委任された従業員のかたが原則として出席します。面接は英語で行われるため、通訳を同席させることも可能です。

また必要に応じ、POLO等により受入機関にて実地調査が実施されます。

一連の審査を通し、雇用主として適正であると判断された企業は、POEAに特定技能所属機関として登録されます。登録にあたり、POLO等から認証印が押印された提出書類一式及び推薦書が郵送されます。

既にフィリピンから特定技能で人材を受け入れたことがあり、POEAに特定技能所属機関として登録されている場合、こちらの手続きは不要となります。ただし、登録した雇用契約書の内容を変更する場合や求人数を増加したい場合にはPOLO等への求人・求職票の変更申請および承認手続が必要になります。

④人材を募集・面接・採用して雇用契約を締結しよう

準備が整ったら、いよいよ人材を募集し、面接等を行いましょう。POEAに登録した求人情報をもとに、送り出し機関から人材の紹介を受けます。

自社に合うと思われる人物が見つかったら面接をし、問題ないようであれば採用決定します。このあたりの流れは日本人を雇用する時と、何ら変わりはありません。

⑤在留資格の取得申請をしよう

採用決定をしたら地方出入国在留管理局にて、在留資格認定証明書交付申請をします。

採用した人材が国内にいる場合と、国外にいる場合で在留資格の申請方法が異なります。

採用した人材が既に国内にいる場合、特定技能の在留資格を取得できれば働き始めることが可能です。

採用した人材がフィリピン現地などにおりまだ日本国内にいない場合は、次の手続きについても必要になります。

⑤海外雇用許可証(OEC)の発行申請をしよう

こちらの海外雇用証明書の発行手続きは、通常現地の送り出し機関によって実施されます。

海外雇用証明書は、特定技能ビザの採用手続きにおいて、フィリピン側で必要となる手続きが完了していることを証明する文書です。

特定技能ビザで働く予定のフィリピン国籍の方は、送り出し機関を通じて海外雇用証明書の発行申請をPOEAに行います。

発行申請にあたっては、事前に健康診断の受診や、出国前オリエンテーションの受講を行う必要があります。健康診断の受診は、フィリピンに限らず特定技能で日本へ入国前に実施する必要がある手続きです。出国オリエンテーションは、フィリピンの海外労働者福祉庁(OWWA)により実施される半日程度のプログラムです。

フィリピン国籍の方は、上記の手続きを経て、さらに日本到着時に上陸審査に通過すると、特定技能の在留資格が付与されます。

採用にかかる費用は?

採用にかかる費用とは、どのようなものがあるのでしょうか。基本的には、フィリンピンからの渡航費用、日本語教育や職業訓練にかかる費用、送り出し機関にかかる手数料などを負担する必要があります。そのほか、日本における生活支援など登録支援機関に依頼するのであれば月々の費用が必要になることもあります。

これらの費用にはかなり幅があり、送り出し機関によっても違ってきますが、交渉により安くなることもあります。具体的には教育費も含め送り出し機関には15万円から50万円程度が必要であり、渡航費用は2万円から7万円程度です。

採用の注意点

フィリピンから特定技能外国人を受け入れるとして、注意しなければならないこととは何でしょうか。一つ目は、一つの受け入れ機関で受け入れできる特定技能外国人は5名までという上限が決められていることです。また、転職や雇用契約変更の場合などは、必ず出先機関であるPOLOに申請を出しましょう。

外国人との間には金銭トラブルがおこることもありますが、フィリピンからの受け入れの場合は特定技能外国人からは、直接的にせよ間接的にせよ金銭の受け取りはできません。手当から金銭の控除を行うこともできません。また、フィリピンから渡航する前には支援の一環として健康診断と入国和えガイダンスを受ける必要があります。

フィリピン側の手続についてのお問い合わせ先

・ 駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所(POLO)

〔所在地〕東京都港区六本木5-15-5
〔電話番号〕03-6441-0428,03-6441-0478
〔メールアドレス〕polotokyo@gmail.com

・ 在大阪フィリピン共和国総領事館労働部門

〔所在地〕大阪府大阪市中央区淡路町4-3-5 URBAN CENTER御堂筋7階
〔電話番号〕06-6575-7593
〔メールアドレス〕pcglaborsection.verification2020@yahoo.com

まとめ

いかがでしょうか?フィリピンから特定技能ビザで人材を採用する流れについて解説しました。一連の手続きを完遂するのは少し難易度が高いと感じられるかもしれまんが、送り出し機関をはじめ、登録支援機関やビザ申請の際は行政書士などもサポートしてくれるでしょう。MUSUBEEもその一端を担えれば幸いです。

フィリピンは海外に働きに出る人が多い国であり、そのため外国で働くことに強いモチベーションを持った方も多くいらっしゃいます。より御社とマッチする人材の採用に繋がることを心から願っております。



MUSUBEE編集部

特定技能の外国人採用を考える企業にとってお役立ち情報を提供します。

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