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特定技能介護の取得方法、他の在留資格からの切り替えについて

特定技能ビザは外国人が日本で働くことを認める在留資格の一つであり、介護業界でも注目されています。ただ、介護業界では特定技能ビザ以外にも複数の在留資格があり、区別が付かない方もいることでしょう。

今回は特定技能ビザを含めて介護の在留資格をおさらいします。それぞれの在留資格を特定技能ビザに切り替えるメリットやデメリット、手続きも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

特定技能とは?

現在、日本の中小・小規模事業者における人手不足が深刻化しており、経済や社会基盤の持続可能性が阻害される恐れが問題視されています。そこで、人材確保が困難な産業分野において外国人を受け入れる仕組みを整えるために創設されたのが特定技能制度です。

特定技能には特定技能1号と特定技能2号の在留資格があり、受け入れ分野が異なる点に特徴があります。

この2種類のうち介護分野の受け入れに対応しているのが特定技能1号です。特定技能2号に関しては建設分野と造船・舶用工業分野しか受け入れに対応していません。

特定技能についての詳細はこちらの記事をご確認ください。


介護に関する在留資格の種類や取得の流れ

介護に関する在留資格にはさまざまな種類があります。ここからは

①在留資格「介護」

②特定活動「EPA介護福祉士」

③技能実習「介護」

について趣旨や取得の流れを紹介します。

①在留資格「介護」

在留資格「介護」は専門的・技術的分野における外国人の受け入れを目的としています。取得の流れは下記の通りです。

  1. 外国人留学生・技能実習生等として入国
  2. 養成施設ルートの場合、介護福祉士養成施設(2年以上) 
    実務経験ルートの場合、技能実習生等で入国し介護施設等で就労・研修(3年以上)
  3. 介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士資格の取得・登録
  4. 介護福祉士として実務開始

②特定活動「EPA介護福祉士」

特定活動「EPA介護福祉士」は、フィリピンやインドネシア、ベトナムなどとの経済連携強化を目的としています。取得の流れは下記の通りです。

  1. 介護福祉士候補者として入国
  2. 就学コースの場合、介護福祉士養成施設で就学(2年以上)
    就労コースの場合、介護施設等で就労・研修(3年以上)
  3. 介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士資格の取得・登録
  4. 介護福祉士として実務開始

③技能実習「介護」

技能実習「介護」は、人材育成を通じて開発途上地域に日本の技能を移転することで国際協力を推進することを目的としています。取得の流れは下記の通りです。

  1. 技能実習生として入国
  2. 実習実施者(介護施設等)のもとで実習(最大5年間)
  3. 実習修了の際に、技能評価試験を受験

特定技能に切り替えるメリットやデメリットとは?

従来の介護に関する在留資格を特定技能に切り替えるメリットやデメリットを解説します。

特定技能に切り替えるメリット

4年間の滞在が可能なEPA介護福祉士候補者が特定技能に移行すると、追加してさらに最長5年間介護施設などで勤務できるようになります。企業としてはすでに就労・研修を受けた労働者を確保できることはメリットといえるでしょう。

さらに、EPA介護福祉士候補者として4年間にわたって従事した就労・研修が適切だと認められた場合、対象の外国人は特定技能1号に移行するにあたって技能試験および日本語試験を免除することが可能です。

EPAで4年間の滞在中、介護福祉士国家試験に合格できなかった場合でも帰国しなくて済み、合格へのプレッシャーも和らぐことでしょう。

特定技能に切り替えるデメリット

特定技能1号は不足する労働人材を補うことが目的であり、受け入れ基準は育成や訓練を必要としないことが前提となっています。しかし、4年間勤務したとしても介護福祉資格を持たない外国人労働者がその基準を満たしているかどうかは不確かです。

その点を踏まえると、特定技能1号に切り替えた後に業務で戦力とならないケースも考えられるでしょう。

特定技能に切り替える方法と注意点

ここからは特定技能に切り替える方法や条件などをEPA介護福祉士や技能実習のケースを例に紹介します。また特定技能に切り替える際の注意点についても触れるので事前に把握しておくとよいでしょう。

EPA介護福祉士から特定技能

EPA介護福祉士から特定技能に切り替える際は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署、あるいは外国人在留総合インフォメーションセンターに申請します。受付時間は平日午前9時から12時、午後1時から4時です。

主な提出書類は下記の通りです。

  • 在留資格変更許可申請書 1通  
  • 写真(縦4cm×横3cm) 1枚
  • 申請人のパスポートおよび在留カード
  • 申請人名簿
  • 身分を証する文書
  • 介護分野における特定技能外国人受け入れの誓約書
  • 介護分野の業務を行わせる事業所に関する概要書
  • 指定通知書などの写し
  • 直近の介護福祉士国家試験に関する結果通知書の写し
  • 介護分野における特定技能外国人受け入れに関する協議会の構成員であることの証明書

切り替えの際の条件は下記の通りです。

  • 直近の介護福祉士国家試験で合格基準点の5割以上を得ている
  • 直近の介護福祉士国家試験ですべての試験科目で点数を得ている

※参考
「特定活動」(EPA介護福祉士候補者)から「特定技能1号」へ在留資格を変更する際の手続(厚生労働省)

技能実習から特定技能に切り替えることも可能

技能実習が終了した後に雇用を続けたい場合にも特定技能に移行できます。移行するための条件は下記の通りです。

  • 技能実習2号までを良好に修了する
  • 技能実習の職種や作業内容と特定技能1号の職種が一致している

通常は特定技能ビザを取得するには特定技能試験と日本語能力試験に合格しなければなりませんが、技能実習2号までを良好に修了していれば試験が免除されます。

特定技能ビザの申請については、技能実習評価試験の合格証明書や評価調書などが必要です。技能実習から特定技能1号に変更するまでには平均で2~3ヶ月ほどの期間を有します。

なお、移行の際には技能実習の在留資格期限内であれば、対象者は一時帰国する必要はありません。

特定技能への切り替えに関する注意点

技能実習から特定技能の在留資格に変更する際の申請期限は、技能実習の在留資格の在留期限と同じです。在留期限までに特定技能の申請手続きが完了できないと、当然帰国しなければならない点には注意しましょう。その場合、在留資格認定申請によって外国人を呼び直すことになります。

その一方で、特定技能の申請では社内外の資料を整理したり、特定技能の要件を満たすために社内制度を見直したりしなければなりません。加えて、対象者の出身国によっては出身国との間における手続きも法務省への申請前に完了しなければなりません。

その他、技能実習先以外の企業で働く場合には申請手続きや提出書類などが異なり、当事者から調書を得ることが難しくなる点にも注意が必要です。

したがって、特定技能に切り替える際には、申請期限に間に合うよう慎重な日程管理が求められます。

まとめ

今回は、介護に関する在留資格をおさらいしつつ、特定技能への変更に関する概要をお伝えしました。

従来の在留資格から特定技能に切り替えられることを知り、特定技能ビザを人材不足の解消に役立てたいと思えた方もいるのではないでしょうか。

これから介護業界において特定技能ビザを活用した人材確保を検討する場合は、ぜひ検討されてみてください。



MUSUBEE編集部

特定技能の外国人採用を考える企業にとってお役立ち情報を提供します。

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